乾漆は漆器の胎を作るための技法のことで、簡単に言うと型に麻布を複数枚漆で貼り重ね最後に型から抜いて器の胎を作ることを意味しています。食籠は茶事で用いる食物を納める蓋つきの器のことで、蓋をあけると本体の立ち上がりの上に懸子と呼ばれる皿が乗っているものです。この作品も大きさは径225、高140程です。
以下、林先生より頂いたコメントです。
制作意図
花をモチーフとした器の製作を続けてきましたが、これまでは輪花型、あるいは稜花型のものが多くありました。今回は花弁一枚一枚を独立させ、それぞれの花弁の微妙な形のニュアンスを器の側面に表現し、また蓋の甲面には水を張ったような緊張感とそこから花弁の間を水が流れ落ちるような造形を試みました。上から投影した形は丸に近い六稜ですが、蓋の開け閉めに支障のないように立ち上がりや合口の形に配慮しました。蓋甲面の塗りぼかしは、色彩的な効果を意図したことと同時に、本年、日本で皆既日食が見られたことから、師である田口善国先生の代表作が思い出され、また増村益城先生得意の技法をお借りした、両先生へのオマージュでもあります。
花をモチーフとした器の製作を続けてきましたが、これまでは輪花型、あるいは稜花型のものが多くありました。今回は花弁一枚一枚を独立させ、それぞれの花弁の微妙な形のニュアンスを器の側面に表現し、また蓋の甲面には水を張ったような緊張感とそこから花弁の間を水が流れ落ちるような造形を試みました。上から投影した形は丸に近い六稜ですが、蓋の開け閉めに支障のないように立ち上がりや合口の形に配慮しました。蓋甲面の塗りぼかしは、色彩的な効果を意図したことと同時に、本年、日本で皆既日食が見られたことから、師である田口善国先生の代表作が思い出され、また増村益城先生得意の技法をお借りした、両先生へのオマージュでもあります。
林先生への受賞のインタビューもありますので是非、ご覧下さい。
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